こんにちは、現役すし職人です。
今回の記事では新米がお寿司に向いているのかという事を書いていきたいと思います。
皆さん、お米は好きですか?
日本で暮らしているとお米を食べる機会が多いと思いますが、お米の中でも新米は特別視されていますよね。
新米はみずみずしくふっくらしていて独特の粘り気があるのが特徴で好きな方は多いと思います。
そんな新米をお寿司に使ったら美味しいのではないかという事をよく聞かれるのですが、実際のところどうなのかを紹介したいと思います。
そもそも新米とは?
新米、新米と毎年騒がれていますがそもそも新米とはいつ収穫されどのように売られているものかご存知ですか?
なんとなく「秋に収穫されてすぐの米」くらいの認識の方は多いのではないでしょうか?
正確には秋に収穫し、同年の年末までに精米され、包装されたお米が新米と表記されます。
包装まで済んでしまえばそこから翌年の9月まで新米と表記できるのですが、収穫した年に包装まで完了していないものは新米と表記してはいけない決まりになっています。
なので新米と表記していい商品を出荷するには品種にもよりますが、約2〜5ヶ月程度ととても短い期間しかないのです。
新米として出荷できる期間が短く、美味しいことから貴重な品とされ毎年注目されているのでしょう。
そんな貴重で美味しい新米ですが実際酢飯にするとどうなのでしょうか?
じつは新米はあまり酢飯に向かない
結論から言わせていただくと新米はあまり酢飯には向いていません。
というのも、新米というのはみずみずしく水分量が多いので酢飯を作る際お酢を入れると、べちゃべちゃになってしまうのです。
また、水分をうまく調節して酢飯を作ったとしても、今度は粘り気の問題が出てきます。
粘り気があると握りづらくベタッとしたお寿司になりやすいです。
これらの理由から寿司屋の酢飯には新米は使われない傾向にあります。
ですが、中には新米を上手に使われてるお寿司屋さんもありますので、気になる方は食べに行ってみるのもいいかもしれません。
すし屋はどんな米を使ってるの?
新米を使わないのはわかったけれど、じゃあどんなお米使ってるの?という声が聞こえてきそうですね。
どんなお米を使っているかというとズバリ!『古米』と言われるものです。
古米って聞くと、「売れ残って古くなった米を使ってるのかな?」と思われる方がいるかもしれませんが、そういうわけではありません。
古米(こまい)とは、収穫してから1年以上寝かせて水分含有量を減らしたお米のことを指します。
専門店等でお願いすると、しっかりと温度などが管理された倉庫で保管してもらえるため品質を保ったまま水分含有量を減らして出荷してくれます。
古米は水分含有量が少ないので酢飯を作るときにお酢を足してもお米に染み込んでいくため、ベチャベチャになりにくく仕上がりが良くなります。
酢飯、いわゆる舎利はお寿司の生命線です。
なので仕上がりが良くなりやすい古米を使うお店が多いのです。
家で酢飯を作るには
家で酢飯を作るとなぜかべちゃっとした酢飯になったことはありませんか?
別の記事でシャリ(酢飯)の切り方(作り方)を今後紹介しますので、気になる方は見てみてください。
まとめ
以上、『新米はお寿司に向いていないって本当!?』についての記事でした。
新米はあまり酢飯向きではありませんでしたが、新米が悪いというわけではありません。
むしろ新米はみずみずしくふっくらしていて、個人的には大好きです。
皆さんの中にも一年に一度は新米を食べたいと思う方は多いのではないでしょうか?
今年の収穫時期も楽しみですね!
それでは今回はこの辺で、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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