こんにちは、現役すし職人です。
今回は『煮切り醤油』の作り方についての記事を書いていきたいと思います。
今回の記事では実際にお店で使っているレシピを公開していますので必見です!
全然難しくないので是非ご家庭でも真似してみてください。
それでは煮切り醤油ってどんな醤油?と思ってる方も居るかもしれないので、まずは煮切り醤油とは何かを説明していきたいと思います。
煮切り醤油とは
皆さんはお寿司屋さんに行ったとき『煮切り醤油』という単語を耳にしたことはありませんか?
煮切り醤油とは、醤油を鍋などで沸かして角を取った(ツンとした感じをなくした)ものです。
うちの店では、日本酒やみりんなどを入れて味をまろやかに仕上げています。
煮切り醤油は普通の醤油に比べて味がまろやかなので、お寿司や刺身などの醤油を直接つけて食べるものにおすすめだと思います。
そういう専門的な調味料って作るのが難しそう、面倒くさそうと思うかもしれませんが、実は結構簡単に作れます。
ひと手間かけるだけで家庭で美味しいお寿司やお刺身をさらに美味しく食べられるようになりますよ。
それでは材料の紹介からしていきたいと思います。
煮切り醤油の材料を用意しよう!
ここではうちの店で作ってる煮切り醤油の作り方をご説明させて頂きます。
このレシピなら家庭でも簡単に作れるのでぜひ挑戦してみてください。
用意する調味料は3種類だけで大丈夫です。
その3つの調味料とは!
- 料理酒
- みりん
- 濃口醤油
です!
ね!
簡単そうでしょ?
この3つの材料をを1対1対3で合わせるだけです。
ですが、1対1対3と言われてもピンときにくいと思いますので今回は50倍を掛けた量で紹介したいと思います。
リストに書くとこんな感じ
- 料理酒 50㏄
- みりん 50㏄
- 濃口醤油 150㏄
それでは3つの材料を用意したら作り方を見ていきましょう。
煮切り醤油の作り方
まず料理酒とみりんを鍋に入れて火にかけます。
アルコールの蒸発温度は78℃なので3分ほど火にかければアルコールを飛ばすことができます。
鍋の底から気泡がぷくぷくと出てくるぐらいの温度になったら火を少し弱めて3分間その状態を保ちます。
そうすることにより料理酒とみりんのアルコールが飛ぶのでそこに濃口醤油を入れます。
濃口醤油を入れたら温度が下がるのでまた再沸騰するまで火を強めます。
沸騰したら火を止めてボウル等に移し冷まして完成です。
今回は50倍の量で計算しましたが1対1対3なら基本的には何倍の量で計算しても作ることができます。
ですが、あまりに少量ですと蒸発具合が変わってきてしまい味が濃くなったりするので注意してください。
調味料を用意する際の注意点
ここで2つ注意していただきたいことがあります。
一つ目は料理酒についてです。
料理酒は日本酒または食塩の入っていない料理酒を使用してください。
知らない方も結構いるようなのですが、実は一般的にスーパーで売られている料理酒の中には塩が入っているものがあります。
お酒に塩を入れることを不可飲処置というのですが、それを施すことにより飲料としてのお酒の役割を果たせなくなるため酒税がかからず、安価で料理酒として提供することができます。
ですが塩入の料理酒というのは結構塩分濃度が高いため料理に使う際上手に使わなければしょっぱく仕上がってしまうことがあります。
今回に関しては食塩の入っている料理酒で作ってしまうとせっかくまろやかにして食べやすいものにしようとしてるのに、塩分があるせいでしょっぱくなってしまい食べにくいものになってしまうのです。
そして2つ目に注意していただきたいことは、薄口醬油と濃口醤油についての事です。
今回、濃口醤油を使用しているのは塩分を抑えまろやかに仕上げるためです。
「え?塩分を抑えたいのに濃口醤油を使うの?」
と思う方もいるかもしれませんが、じつは濃口醤油の方が薄口醤油に比べて入っている塩の量が少ないのです。
薄口醤油の方が塩分が多いのには製造過程に理由があります。
醤油は発酵が進むごとに色が濃くなっていくのですが、素材の色合いを生かしたい時によく使われる薄口醤油は色を薄く仕上げるために塩を多く入れて発酵を抑えています。
なので、「濃い」「薄い」は色の濃さであって味や塩分の濃さではないことを覚えておくと料理をする際応用が利くと思いますよ。
まとめ
以上、『煮切り醤油の作り方』についてでした。
皆さんどうでしたか?
秘伝の作り方で素人には真似できないだろうなと思っていた方は、材料も作り方も意外と簡単で驚いたのではないでしょうか?
簡単なのにおいしい「煮切り醤油」!
ぜひ家庭でも作っていただいて日々の食事がより良いものになってくれると嬉しいです。
それでは、今回も読んでいただきありがとうございました。
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